1)光の特性


波動性と粒子性

光は波としての性質 [波動性] 、粒子としての性質 [粒子性] を合わせ持ちます

[波動性] 屈折、反射、回折、干渉、偏光
[粒子性] 光電効果、放射など ・・・ エネルギーとしての性質

※ 光学で扱う現象(屈折、反射、回折、干渉、偏光)は全て光の波としての性質

波としての光

光は進行方向と電場、磁場の振動方向が垂直な横波 ・・・ 正弦波
横波は波の振幅が重なり合う性質がある      ・・・ 干渉

光の物理量の表記(光学と電磁気学の差異)

150年ほど前にマックスウェルさん(James Clerk Maxwell)が光は電磁波であることを証明し、その後光学と電波を扱う電磁気学は同分野で扱われます
ただ元々が別々の学問だったので多少表記方法が異なります

[波長/周波数]
  ・光学    波長
  ・電磁気学  周波数

※ 光の絶対量は周波数で、これに対し速度と波長は媒質の屈折率によって変化します
  電磁気学では絶対量である周波数を用います

  これに対し光学は媒質境界での屈折を主に扱うため媒質の屈折率(光の伝搬速度)を考慮してます
  屈折率を考慮するのであれば、扱いやすい数値を使用するのが簡便なので波長を使用します ・・・ 多分

※ 余談ですが、光通信系の開発プロジェクトに参加してた際、通信機器メーカの方は、例えば長距離伝送に用いるCバンド1.55 umの光を193.4 THzと表記してました(なるほどと思いながらも、打合せは電卓片手でした)

[偏光]
  ・光学    s波・p波
  ・電磁気学  H波・E波

※ 入射光線と媒質(誘電体)の法線がおりなす面を入射面、この入射面に対し射出光は偏光します
  光学では [電場] の向きが入射面に平行な偏光をp波、入射面に [電場] が垂直な偏光をs波と呼びます
  電磁気学では [入射面に磁界が平行な偏光] をH波、[入射面に電界が平行な偏光] をE波

波長の表記

波長は媒質の屈折率によって変化します
  屈折率は真空を基準(nvacuum= 1)とします ・・・ 絶対屈折率
  ただ、人工衛星で使用する光学機器以外は大気中で使用します
  このため、大気の屈折率を基準(nair= 1)とした値で表します ・・・ 相対屈折率

※ 真空の屈折率を1とすると、大気の屈折率は1.000292(0℃、1気圧)

光のエネルギー

光は上記のように波動性と粒子性の性質があり、
波の性質として、エネルギーは振幅(明るさ)の2乗に比例してエネルギーが大きくなり、
粒子の性質として、振動数に比例して大きくなります

※ エネルギーをE、hをプランク定数、ν(ニュー)を振動数とすると
  E=hν
  例えば、波長が400 nmの光のエネルギーは800 nmの光の2x

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