f) シャッタースピード


無限遠系での像の流れの量と焦点距離の関係

手持ちで撮影すると、どうしても手振れの影響で像が流れます

この像の流れはレンズの焦点距離に比例して大きくなります
下図はレンズの主点位置を中心にX軸回りに角度Θローリングした時の像の流れの量を模擬的に示します

焦点距離Fのレンズの像の流れの量εに対し、焦点距離が2×のレンズの場合、像の流れは2×の2εになります
※ 像の流れの量(手振れの影響)はレンズの焦点距離に正比例

有限系での像の流れの量と焦点距離の関係

有限系の場合、合焦位置は焦点位置より後ろ側に移動します
このため像の流れは増加します
例えば、レンズ焦点距離100 mmレンズにおいて物体距離1 mの場合、横倍率は約0.1 xです
合焦位置は焦点位置より「焦点距離 × 横倍率」だけ後ろ側にズレます
  像の流れの量=焦点距離(1+横倍率)

あまり大きな変化ではありませんが、マクロ撮影時は無視できない変化量です

シャッタースピードの設定

最近のカメラは手振れ補正機能が素晴らしいです(以前はレンズ内手振れ補正が主流でしたが、レンズ内補正の場合解像力が低下します)
現在角度3軸+XYの5軸補正が当たり前、ただ何か基準があればと思います

個人的には、手持ちで焦点距離50 mmのレンズを使用する場合、シャッタースピードは焦点距離の逆数[1/ 50 sec.]を下限値にしてます(構え方やカメラの手振れ補正機能などで変わりますが)

※ 手振れの軽減
  ・左手でカメラを下から支えるように、脇を締め、シャッターはできるだけゆっくり
  ・連写で数枚撮影すると後半は手振れの少ない撮影ができます
  ・タイマーを使用するのも有効です  

例)滝を撮影する

滝、川面や海面の泡立ちを絹ごし風に表現する場合、シャッタースピードの的確な選定が必要です
状況や求める作風にもよりますが1/15 ~1/10 sec.程度が適当かと思います
もちろん手持ち撮影では手振れが無視できないので、三脚の使用は必須です

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