はじめに
図面の目的は設計図と製作図に大きく分かれます
設計図の場合、勘合する部品との取り合いや全体としての機能などを明確にすることを目的とします
これに対し製作図(加工図)は、設計者の主旨を正確に加工者に伝えることが目的です
従って、製作図は加工者が把握しやすく明瞭で、加工工程に沿って作図される必要があります
製作図において正面図の選択は重要です
正面図は別に主投影図とも呼ばれ、品物を最もよく表す方向からとらえた代表的な投影図です
正面図の選択
① 下左図のフランジを作図する場合下右図のAとBでは正面図としてどちらが適切でしょうか?
加工工程はまず旋盤加工で外形を加工し、次に穴加工になります
また作業量は旋盤加工が主です
従って、正面図としてAが適切です
旋盤加工を伴う部品の場合、加工量の多い方向が右側になるように作図します


② 下左図のようにDカットを4面設けたフランジの正面図はC、Dの何れが適切でしょう?
この場合の加工は旋盤加工、次にフライス加工になりメインの加工は旋盤加工です
このため正面図はCが適切です


③ 下左図のキー溝を有する物品の正面図として適切なのはE、F何れでしょうか?
キーは深さ・幅を記載する必要があります
Eはキー深さを正面図に、部分投影でキー幅が作図でき分かりやすいです
Fの場合はキー溝の深さを側面図に記載する必要があり、Eに比較し多少煩雑です
このため、Eを正面図に選ぶのが慣例となっています


④ フライス加工を主とする物品の正面図は、
・ 長手方向が横向きになるように
・ 正面図と合わせ側面図がその物品の特徴を表すように作図するのが適切です