焦点位置と共役

結像の考え方には様々なアプローチがありますが、レンズの焦点位置と共役を考えるのが簡便かと思います
下左図において、

　　レンズ＿薄肉レンズ（厚みの無いレンズ）
　　F＿前側焦点　F’＿後側焦点
　　水色の破線＿仮想の屈折面

上図は光軸と平行な光線がレンズに入射した状態で、レンズに入射した光線は屈折しF’を通過します
下図はレンズの後ろ側から平行光線が入射した状態で、その光線はFを通過します

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下右図は下左図の上下の図を合わせて描いたもの
各光線を示す線の両端に矢印が付いていますが、この可逆的な関係が共役です
例えば、左から右に進む光線が光軸に平行の場合点F’を通過し、逆に右から左にF’を通過する光線は光軸と平行になります

※　共役の一般的な説明として、
　　ある物点から出た光が光学系を通って像となり、逆に像の位置に物点を置くと、もとの物点の位置に像が結ばれる関係

有限系の結像

下図は薄肉レンズにおいて、ある位置の物体P（ｙ）の結像がどのようか示す図

　　F_前側焦点　F’＿後側焦点
　　P＿物体の位置　P’＿像の位置
　　ｙ＿物体高さ　ｙ’＿像高さ
　　H＿主点

光軸に平行な光線（赤の実線）はF’を通過し、Fを通過する光線（赤の破線）は光軸に平行になります
この２線が交わる位置が有限系での像位置です

※　緑の線＿薄肉レンズにおいて、物体と像を結んだ直線を「主光線」と呼び、光軸とこの光線の交わる点を「主点」と呼びます

無限系での結像

下図は平行光が入射した場合を示す図

　　ｆ＿レンズの焦点距離
　　Θ＿光線の入射角 ＝ 射出角

この場合の像位置はF’なので、上述の主光線あるはFを通過する光線の内の一つを考えればよいです
ここで、像高さｙ’とレンズの焦点距離ｆ、光線の入射角の関係は？

tan(Θ) = y’/ f => y’ = f tan(Θ)・・・①

①式を用いてフルサイズのカメラでF50 mmのレンズを使用した場合の横方向の画角を算出すると、

フルサイズカメラのセンサーの横のサイズは 半値18 mmなので
Θ = tan^-1(y’ / f) = tan^-1(18 / 50) = 0.346(rad) =19.8(°)・・・半角

※　余談ですがカメラレンズにおいて、目視とファインダーを覗いた時の画角の差が少ないレンズの焦点距離は35 mmから50 mm位です
　　この辺りのレンズを「標準レンズ」と呼びます
　　ポートレート等、感性を表現するのに適しています
※　最近のスマフォの電卓機能には関数機能が搭載されていて tan^-1( ) などの関数計算は簡単にできます