はじめに
・ 明るさ・光量を示す照度、光束、光度、輝度は人間の目で感じる値で、標準比視感度を含む心理的物理量
※参考 標準被視感度_1.光について>1) 眼の構造
・ 照度、光束、光度は国際単位系で定義される固有の単位(小文字表記)
・ 光は光源から空間に放射されその空間を定義する必要があり、その空間は立体角で示されます
立体角について項を設けましたので参照ください
照度(ルックス_Illuminance_表示単位;lx)
照度(ルックス)は照射させられる側の明るさを示す値
1ルックス( lx)は1 m2に1ルーメン( lm)の光が照射される明るさ(照度は光源との距離の2乗に反比例する値)
光束(ルーメン_Luminous flux_表示単位;lm)
光束(ルーメン)はある面積、ある立体角内の光量を表す値
例えば、1,000 lxの机の上にA4の用紙を置いた時のそれが受ける光束は60 lm
(A4用紙の面積_0.06 m2(約0.2 X 0.3 m) x 1,000 lx)
※ 全光束_光源から射出される光の全量を表し、光源の「発光効率」を把握する上で重要な値
標準被視感度のピーク波長550 nm近傍の光に全てのエネルギーを変換した時、約670 lm /Wが最大値(発光効率 100%)
一般的な白色照明では「全光束・・lm」表記で性能を示す場合が多いです
一方、単色のLED等は標準被視感度を含むルーメンでは性能が表し難いので「・・mW/ W」表記が多いです
※ 光束(ルーメン)の単位は [cd sr]と表記される場合もあります
光度(カンデラ_luminous intensity_表示単位;cd)
光度(カンデラ)は「点光源」の明るさを表す値
「星」を思い浮かべて頂くと良いと思いますが、星は面積があっても無限遠にあるので点光源(と見なせます)
この点光源(星)の明るさを示す値が光度で、光の量を立体角で微分した値(単位立体角当たりの光量)
単位はカンデラ(cd)・・・蝋燭の(Candole)が語源、蝋燭の明るさが約1 cd
輝度(カンデラ毎平方メートル_Liminance_表示単位;cd/ m2)
TV、CRTなどの面積のある表示器(光源)の明るさを示す値で、光度を単位面積当たりで示す値
単位は [cd/ m2]
立体角(ステラジアン_Steradian_表示単位;sr)
半径rの球の表面積がr2になる角度を1ステラジアン(1 sr)
※ 2次元の平面角(弧度法)を三次元に拡張したもの
※ ギリシャ語で立体を表すStereosが語源
球の表面積Sは S= 4πr2
1 srがr2の表面積を意味するので、球全体の立体角は 4π sr
下右図において球冠の表面積Aは、球の半径r= 1とすると A=2π(1-cosΘ)
立体角1 srとなるΘの値は Θ= cos-1(1-1/π) となり、半角約32.8°
下右図に1 srに放射される光線束を示しました

